上戸と下戸


お酒好きの人のことを上戸、お酒の飲めない人のことを下戸というのはご存じですネ。
そこで上戸と下戸という呼び方がいつ頃から始まったのか、そのルーツを調べてみました。
そのもとは秦の始皇帝(紀元前230年頃)が、万里の長城を守る番人たちに与えた加給品から来たものと言われています。山上の城門の兵には寒さが厳しいので身体を温める酒をだし、平地の城門の兵には甘いものを渡したのが始まりとのことです。
我国に上戸と下戸が生じたのは、大宝元年(701年)に制定された大宝律令による家の制度で、当時の支配者が人民に課す税金の標準で、6人以上8人以下の成年男子がいる家を上戸、4,5人を中戸、3人以下を下戸といいました。
上戸は当時の高額納税の家といえます。それが酒飲みを上戸と言うようになったのは、後に『庶民婚礼・上戸八瓶・下戸二瓶』と言って、上戸の家は八瓶の酒を振舞い、下戸の家は二瓶しかお酒を出さないので、いつとはなく酒量の多い方を上戸、酒量の少ない方を下戸と言うようになったようです。
水やお酒をビン等に入れる時に使う道具を漏斗(じょうご)と言うのも、酒を飲み込むことから上戸がもじられたもののようです。



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